<第20回>道路交通法の改正で「ながら運転」が罰則等大幅強化
2019.10.01
産業廃棄物の収集運搬や営業車など、高野グループでは日頃から多くの車両を運行しております。これら車両の取り扱いに関して定めた「道路交通法」に、この度変更があるのはご存知でしょうか?
2019年12月1日の改正道交法の施工により、「ながら運転」に関する罰則が大幅に厳格化されます。今回はその変更点についてご紹介します。まずは、罰則の内容について簡単に記載します。
<変更点>
(1)携帯電話使用等により交通の危険を生じさせた場合
【違反点数】 6点 (即免許停止)
【罰則】 1年以下の懲役または30万円以下の罰金
【反則金】 非反則行為となり、 すべて罰則を適用
(2)携帯電話の使用等(通話・メール・ゲームなど)
【違反点数】 3点 (改正前1点)
【罰則】 6月以下の懲役または10万円以下の罰金
【反則金】 普通車 1万8千円 (改正前の3倍)
上の(1)は、携帯電話等の利用を原因として、事故や危険行為を引き起こした場合が対象となります。対して(2)のケースでは、自動車の運転中に携帯電話などの使用が確認されただけで罰則の対象となります。
(1)の場合は即免許停止処分の上、罰則が適用されます。また(2)の場合では違反点数は3点になり、2回の違反で免許停止となるなど、重いものとなりました。また反則金についても改正前の3倍と大幅に引き上げられています。
2018年度には携帯電話使用等を原因とした交通事故が2,790件発生しており、さらに死亡事故が複数発生するなど、その危険性が強く叫ばれています。
また取締り件数は年間85万件(取締り全体の14%)に達し、重大事故発生につながるリスクに対する認識の甘さを物語っています。 例として時速60キロで自動車を運転中、ケータイの着信に気を取られてわずか2秒間前方から目を離すと、その間に車両はおよそ33mもの距離を進みます。ほんのわずかな時間であっても、歩行者の急な飛出しや前方車両の急停止などへの対応は遅れ、事故は避けられないでしょう。ある研究結果では「ながら運転」時の視野は通常の1/20になると言われ、これは飲酒運転より危険であると示されています。
ニュースでは運転中の携帯電話の使用が大きく取り上げられていますが、そのほかにカーナビの案内やテレビを中止すること等も適用になるため注意が必要です。最近の車等には、自動運転や運転支援システムが付いておりますが、だからと言って「ながら運転」は絶対にしてはいけません。
またこれらの違反を避けるため、ハンズフリー通話を活用している方も多いのではないでしょうか。しかし、操作や視線の注視を伴わないハンズフリー通話であっても、注意力が低下することが実験で実証されており、事故の危険は低くないことがうかがえます。さらに都道府県の条例によって、走行中のハンズフリー通話を禁止するものもありますので注意が必要です。
〈法律上は?〉
「ながら運転」を規制する法律は道路交通法第71条第5号の5に規定されています。その条文には「停止しているときは除く」と書かれています。しかしその停止に関しての定義はなく、赤信号で一時停止しているときの携帯等の操作は違反にならない可能性はあります。しかし警視庁に確認すると「条文にある通り」との回答であり、明確に条件を示すものはありません。スマホ操作中に少しでも車が動けば警察官の判断により運転中も操作する意志があると判断され、切符を切られる可能性があるのでご注意ください。
違反か否かに関わらず、もしに自動車の運転中にスマホ等の操作が必要な場合は、必ず安全な場所に車をためたうえで操作することを心がけましょう。「ながら運転」は自分自身が思っている以上に危険な行為です。自転車や自動車など車両の運転をする時は運転に集中して安全運転を心がけましょう。