<第19回>マニフェストには紙と電子がある?
2019.04.05
以前の記事でご紹介いたしました”マニフェスト伝票”(以下”マニフェスト”と呼びます)には、紙マニフェストの他にもWEB上でマニフェスト発行を行う、電子マニフェストと呼ばれるものが存在します。今回はその電子マニフェストについてご紹介いたします。
※マニフェストの詳細につきましては
<第5回>マニフェスト記載のポイント をご覧ください。
産業廃棄物を収集し、また処分を行う際には、排出事業者が適正な処理を行い、その証として”マニフェスト”を発行しなければいけません。そのマニフェストの発行、保管がより適切に行われるようにするため、平成29年の法改正に伴って2020年4月から電子マニフェストの使用が一部義務化となることが決まりました。
1970年に廃棄物処理法が制定されてから、未だにニュースで報じられるようなゴミの不法投棄や杜撰なマニフェスト管理が後を絶ちません。そんな中、電子マニフェストを導入することは産業廃棄物の処理・管理状況を把握する上ではとても便利なシステムとなっています。
今回は、電子マニフェストとシステム導入のメリットについてご紹介したいと思います。
電子マニフェストとは、排出事業者・収集運搬業者・処分業者が行う、マニフェストの発行や受け渡し、保管までをWEB上で完結させるシステムになります。
その電子マニフェストの基本となるシステムが、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの運営する『電子マニフェストシステム(JWNET)』 です。
https://www.jwnet.or.jp/jwnet/
その JWNETを使用することで次のような効果があります。
『メリット』
・入力が簡単で事務効率UP
・WEB上でいつでも産業廃棄物の処理・管理状況を確認できる
・マニフェスト保存が不要(保管場所の不要)
・入力間違いには警告アラートが表示され、入力ミスが少なくなる
・マニフェスト交付状況報告書を電子システムが代理で提出してくれる …など
『デメリット』
・排出事業者、収集運搬業者、処分業者の3者とも加入しないと利用できない
・電子マニフェスト運用代行業者が間に入るとすぐに対応できない場合がある
・受渡確認票を発行しないといけない。
・システムダウンによる障害 …など
WEB上で電子マニフェストを発行する際には通常”JWNET”に産廃情報を入力して発行をするのですが、慣れない人が操作する場合には戸惑ってしまうケースも少なくありません。
しかし、そんな問題を解決するのが”EDIシステム”になります。EDIシステムとは、様々なサービス事業者が提供するJWNETとリンクした電子マニフェストシステムです。それぞれがJWNETにはない独自の便利な機能を持っており、マニフェストの発行・管理を簡単にできるものが多いことが特徴です。
『ASPサービス提供事業者・EDIシステム一覧』
https://www.jwnet.or.jp/jwnet/members/edi/support.html
さて、電子マニフェストを導入するとたくさんのメリットがあることが分かりました。今後、すべての産業廃棄物処分・収集運搬の際には電子マニフェストの『義務化』という時代がやってくるかもしれません。
高野クループでは全社にて電子マニフェストを導入しております。今後の産業廃棄物処理の実態を考えると電子マニフェストを導入しておくことをお勧めしたいと思います。